2020年1月1日水曜日

地球から見た 天体の大きさ比べ



2019年、国際的な電波天文学のプロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」により、
史上初めて撮影されたブラックホールの姿が話題になりました。
そこで気になったのが「42マイクロ秒角」という見た目の大きさの小ささ。
どれくらい小さいものなのか、まったく見当がつかなかったので、可視化してみました。



2019年1月1日火曜日

冬の星座と、星の本当の明るさ、距離



冬の夜空を見上げた時の星々の輝き。
それぞれの星は、本当はどのくらいの明るさなのか?
目立たない暗い星はちっぽけな星なのか?

一年の中でも、最も明るい星が多く集まったオリオン座周辺を取り上げて、
本当の明るさ・距離をまとめてみた。
星を眺めるときのご参考に。

2018年9月17日月曜日

Spherical panorama projection

Spherical panorama drawing

The entire visual field can be mapped to the outer spherical surface. 
A sphere is the ideal medium for representing a whole landscape visible at a certain point.

全視野は球の内面とみなせるので、変換すれば球の表面にも投影できる。
ある地点から見えるすべての風景は、球の表面に描くことができる。







A: The entire visual field as an inner spherical surface 

The entire visual field surrounds a viewpoint like the inner spherical surface. The rectangular planer images, like a photograph or monitor screen, are the approximated substitute for a part of spherical field of sight.

A: 全視野は球の内面

全視野は観察者の視点を中心として、球の内面のように観察者を取り巻いている。
視界は球面なので、写真やモニターなど矩形の画像は、本来球面の一部である視野を近似的に代用したものにすぎない。

B: Spherical panorama projection

Entire visual field can be mapped to the outer spherical surface. 
The viewpoint locates outside of the sphere.

B: 全視野の球面上へのマッピング

球面状の全視野は、球の表面にもマッピングすることが可能。このとき観察者の視点は、球の外側に位置することになる。




C: Projected images on a spherical surface

When the image is projected on a spherical surface, a straight line in the real world is projected as a spherical geometric straight line, i.e. a part of a great circle.

C: 球面に投影した像

球面に投影された現実世界の直線は、球面幾何学的な直線(大円)として描かれる。

D: Projected images on a plane

When the image is projected on a plane, a straight line in the real world cannot be projected as a straight line except the lines that pass the center of the projection, e.g. the red and the blue lines in the chart. While the field of sight cannot avoid the distortion, the shape or apparent size of the objects cannot be preserved.

D: 平面に投影した像

平面に投影された現実世界の直線は、視野の中心を通る場合(例:図中の赤と水色の線)以外では、直線として描かれることはできない。像は歪みを避けられないので、正しい形状やサイズは反映されない。


E: Projected images on the retina

When the image is projected on a retina, every straight lines in the real world is projected as a spherical geometric straight line, therefore, we can perceive the straight line as it is. 

E: 網膜に映った像

網膜に投影された現実世界の直線は、球面幾何学的な直線(大円)となるので、私たちは直線を直線として認識できる。像は上下左右が逆転するが、脳がそれを正しい向きに補正している。




2018年2月25日日曜日

カーリングのリンクと宇宙

オリンピックを見ていて、どうしてもカーリングの
リンクのサイズ感が気になったので
どのくらいハウスが遠くにあるのか、どんな大きさなのかを実感するため
宇宙の天体同士の距離と比較してみた。

Watching at the Olympic curling game, I was very curious about the size of the rink. So I made this chart to see the size relation between the curling rink and the space. I hope you should find this helpful.


ft : feet=0.3048m 
au : astronomical unit =149,597,870,700 m (天文単位)
ly : light year=9,460,730,472,580,800 m(光年)

2015年1月1日木曜日

夜空ノ奥行キヲ観ル


2015年1月7~8日午後9時ごろ、月と木星がしし座の一等星レグルスのすぐ近くに見える。

夜空に見える天体は、すぐそばに並んでいるように見えても、
実際お互いの距離は、奥行き方向にとんでもなく離れているということがある。

この夜に並んで見える、
月と、木星と、レグルスはまさにそんな位置関係にある。

木星の距離を、手を伸ばした先のハガキの位置くらいに縮めてみたとき、
月と、レグルスはどれくらいの距離にあるのか、を図解して並べてみた。 

木星までの距離を40㎝程度にちぢめると、
月までの距離は0.2mmしかなく、
レグルスは450km彼方。

夜空の奥行きは、これほど遠く隔たった天体どうしが
平面上に並んでいるようにしか見えないほど、
人間の知覚できるスケールとはかけ離れている。






2014年10月14日火曜日

皆既月食中の月面から地球を見ると

皆既月食で見ることのできる赤い月は、

太陽光のうち、地球の大気を経由したものだけが月面にとどくことで、赤く染まっている。

その赤は夕焼けの色で、地球上のすべての日没地点の空を染めている赤だ。

地平線の下に沈んでしまった夕陽の残光は、そのとき遠く月まで届いて赤く照らしている。


月食の図解 (公転軌道を上から見た様子。距離と大きさの関係は滅茶苦茶)







もしも赤く染まった皆既月食中の月面から地球を見てみれば、

赤く輝く大気のリングが見えるはずだ。



それは、いったいどんな風に見えるだろう?



上の想像図のような、月から見た「ダイヤモンドリング」は、
実際に平成21年2月10日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の月周回衛星、「かぐや(SELENE)」 が「半影月食」中に撮影している。 
http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090218_kaguya_j.html 

このときは「半影月食」で、月が赤く染まるまでには至っておらず、
圧倒的な太陽光の下で、大気を通した赤い光は見ることはできなかった。 



さらに「食」が進行して、太陽が地球の影にかくれると、どうなるだろうか。

皆既中の赤い月は、きっとこんな赤い地球大気のリングに照らされているのではないだろうか。



そして次の疑問。 皆既中の赤いリングは、どのくらい明るく見えるのか?


下の写真は、2011年12月10日の皆既月食の、皆既中に撮影したもの。



この皆既中の月の明るさは、オリオン座の明るい星々よりもずっと明るく見える。

その差はどのくらいだろうか?


皆既中の月の明るさを、オリオン座の左足にあるリゲル(0等星)との光度と比べて、
ザッと4等級(約22倍)として、-4等級と仮定してみる。

すると、満月(-12.7等級)にくらべて、8.7等級暗い(約800分の1の明るさ)ということになる。

太陽の直射日光(-27.6等級)が照らしている満月と、
地球大気を通った光が照らしている皆既中の月(X等級)との明るさに800倍の差があるとしたら、
月を照らしている光源にも、800倍の差があるはずだ。

 X = -27.6 + 8.7 = -18.9

単純計算の結果、
皆既中の月を照らす地球大気のリングの明るさは、-18.9等級になる。

これは、地球から見た満月の明るさ-12.7等級の100倍以上の明るさだ。


相当にいい加減な見積もりだけれども、皆既中の月から見る地球大気のリングは、
地球から見た満月より、少なくとも数十倍は明るく見えそうだ。


満月よりもずっと明るく輝く赤いリング。
ちょっと想像しずらいけれども、ステージ上で赤いスポットライトを浴びているような状況だろうか。


上は、地球大気リングと、満月の明るさと大きさの比較想像図。


太陽がどんどん欠けていって、
(太陽光よりはずっと弱いものの)まばゆく輝く赤いリングが天に現れる。

こんな光景が、月面では皆既月食のたびに
誰にも見られることのないまま、
きっと繰り返されている。





2014年2月28日金曜日

太陽系の大規模平面構造、土星の輪

太陽系で最も広い平面状の構造は、土星の輪ではないだろうか。

その広さは、明るく見えるA~C環だけでも、面積にして約413億㎢。

地球の全表面積は5億1000万㎢なので、ざっとその80倍以上の広さの平面だ。

土星の輪にじゅうぶん近づけば、消失点が地球直径の数倍以上先という地平線、

モンゴルの大平原も、太平洋の大海原も消し飛んでしまうような、
究極の地平線が見えるのではないか?

そんなことを考えながら描いた、たぶん高校の頃のイラストが発掘された。


土星表面の輪の影がほぼ赤道にあるということは、 
輪にあたる太陽光はきっととても少なく、暗いだろう。

なので、輪がこのように見えているような視野では、土星表面は明るすぎて白く飛んでいるはず。


ということを考えたような、考えていないような…。